安房の国が生んだ二刀流の侍が京成大久保に凱旋!「麺屋 時茂 大久保店」
温かくなってラーメンが美味しい季節になりましたね。
365日ラーメン日和な自称日本一ラーメンを食べている(自分調べ)こと一場治之進です。
よく「名前が侍みたいですね」とか「芸名ですか?」と言われますが、はっきり言って完全に本名です。おかげ様でご近所からは「ラーメン食べて店の前でポーズとっている変な人」扱いです(泣)
とは言えこの世にラーメン屋がある限り、イチバはラーメンを食べ続けようと思っています。今回は埼玉県草加市の行列店「麺屋 時茂」の京成大久保店に来ました。
場所
京成電鉄の「京成大久保駅」を降りて「学園おおくぼ商店街」を150m程進んだ左側にあります。
「麺屋 時茂」は草加駅前に本店を構えて、「西川口」「スカイツリー」に続きここ京成大久保店が4号店になります。埼玉県を代表するお店が千葉県に来たとなると、そりゃあ「また京成大久保??」と言われようともダッシュせずにはいられない!
店内・メニュー
店内はカウンターのみ8席で、「和」の雰囲気ですね。明るく落ち着けます。丁寧な接客が柔らかい空気を作り出しています。
券売機は入口左手にありますが、正直・・・「これは悩む」
今回は草加本店から来てくれた社長の正木さん(京成大久保店の店長は岡崎さん)にオススメを聞きました。
「僕は2つのお店で修行したのですけど、鶏白湯の醤油・塩それぞれに修行先の味が出ています。」
実はイチバは草加本店で「鶏白湯醤油」を食べているので、今回は「鶏白湯塩」をポチする事にしました。
調理
社長の正木さんにお願いして、調理を見学させて頂きました。調理は店長の岡崎さんが行います。
「本店のスープはお店で仕込んでいますが、支店のスープは6t釜で一括して僕が仕込みます。鶏はずっと火を入れていると香りが飛ぶんです。」
ちなみに草加の本店では時間短縮が出来るエコ寸胴を使用もスープの仕込みに5~6時間はかかるそうです。
「塩は修行先に習って老鶏の手羽先を使用・・本当は※丸鶏の方が美味いと思うんですが、修行先のキッチンが狭すぎた事もあって手羽先を使っていたのでそれをそのまま踏襲しています(笑)。醤油は胴ガラ・・胸骨~尻が80%で小骨やモミジが20%ですね。白湯はまず出汁を出してから、最後に乳化させます。」
説明しよう!!「丸鶏」とはその名の通り、「鶏が丸ごと」なのだが、羽と足先(モミジ)は取り除かれている。所謂クリスマス時期に丸ごと焼かれてホカホカしているイメージの形(分かりにくいか・・)だ。丸鶏の出汁の特徴としては、鶏ガラが澄んだスープであるのに対して丸鶏は甘味のある肉厚で濃厚なスープが特徴なのだ。ちなみに「鎌船カレー部9杯目」でイナバさんが「イチバさん肌がツヤツヤ」と言ったのはイチバが普段食べている丸鶏のスープのコラーゲンが原因じゃないかと思う今日この頃。
スープは丼に入れてから「ブレンダー」と言う機械で乳化を進めます。鶏白湯ラーメンのスープは口当たりが重要になるので、乳化にこだわっていますね。
実食 ~鶏白湯 塩~
イチバはこの独特な丼に記憶があります。当時、あまりのセンスの高さに感動した自由が丘のあるお店です。
スープはトロリと唇に吸いつく様なディープな口当たりと、鶏のポタージュとも言える濃厚な旨味が優しく口の中に広がります。
「このスープ・・・バリヤバイ!」東京出身なのに何故か博多弁が飛び出すイヨリ編集長(好きなバンドが博多出身らしい)。
バリ美味いのは確かですが、特筆すべきは上品な素材感ですね。ブリックス濃度(レポ番外編:山田食品後編参照)の高い鶏白湯スープは数多くあれど、雑味がなくピュアな旨味での濃厚なスープは極上です。鶏の持つ上質な旨味だけを出した様な印象です。
麺は群馬県の「小櫻製麺」の特注麺。ややウェーブがかった中太麺で、モチモチ食感がスープにしっかりと合います。
鶏チャーシューはスライスされて、肉の食感よりもスープの旨味がチャーシューに浸透するように切られています。鶏の旨味のスープをまとったチャーシューが口に入ると、鶏の旨味と食感がジワッと広がります。まるで極上鶏白湯スープで食べる鶏シャブですね。
サニーレタスの箸休めもしっかりと合っていますね。シンプルな構造ながら、相当な完成度を誇る1杯ですね。
自分が感動した味をお客さんに伝える!
正木さんは生まれも育ちも千葉県の幕張で、京成大久保には幼稚園の頃から遊びに来ていたそうです。16歳の時に大阪の吹田市に移りました。その後2年くらい一人暮らしをしていたそうです。
「その頃は色々な仕事をやって、ずっとモヤモヤしていました。自分は何がやりたいのか?自分の生まれてきた意味とかを考えてました。」
千葉に戻り悩んでいる時、正木さんにターニングポイントが訪れました。
「“○は(当時、京成大久保駅)”のラーメンを食べたんです。その時にガツンと強い衝撃を受けました。ラーメンを食べて感動したのはこれが初めてでした。それから色々なラーメンを食べ歩く中で”蔭山楼(自由が丘)”を食べて、また衝撃を受けたんです。」
どちらもイチバの記憶に残っている超名店ですね。
特に蔭山楼の店主はかつて鎌ヶ谷市内で「鶏坊や(閉店)」で腕を振るっていた記憶があります。
その後、正木さんはその衝撃を受けた2店のラーメン屋で修行をする事になります。ちなみに「○は」では「case-K(レポ15)」の店主北里さんとも一緒に仕事したと言います。
「僕は修行先の2店の味が本当に好きだったんです。だからお店を出すに当たって(○はの)橋本さん・(蔭山楼の)蔭山さんの味を、想いを広めたいと思ったんです。これが僕の使命で、自分が感じたようにお客さんに同じ感動を伝えたいと思いました」
「白湯醤油は“○は”で白湯塩は”蔭山楼”をベースにしています。蔭山楼からは高田馬場店を任される話を頂きましたけど、もう時茂をオープンしていたので断りました。」
草加本店は2011年12月27日・ここ、京成大久保店は2018年11月10日にオープンしました。京成大久保店の岡崎店長は昔からの付き合いがあったそうで、信頼できる岡崎さんだからこそお店を任せたと言います。
鶏白湯塩はイチバがかつて食べて感動した「蔭山楼」の色が濃く出ています。簡単に作れるレベルではないと思っていましたが、さすがに店長を任される話があっただけある腕の1杯ですね。
「師匠の橋本さんも蔭山さんも”感覚”でラーメンを作っている人達でした。分量とかも決められたレシピはなかったんです。だからこの2店で修行した味を僕は数値化したんです。2店の味をこの先も残していくために」
自分がかつて感動した味を追い求め、それをお客さんに提供したい。その想いがスタッフに伝わっているからこそ、本店も支店も一生懸命の接客につながっているのでしょう。
「○は」の鶏白湯醤油と「蔭山楼」の鶏白湯塩・・この2杯を食べてこそ「時茂」を食べたと言えそうですね。
ラストサムライ
かつて、戦国時代に現在の千葉県は大多喜城(当時は小田喜城)の城主「正木憲時」の後を継いだ「正木時茂」と言う武将がいました。槍の名手と呼ばれ、上杉謙信の小田原攻めにも参加しました。正木家の血縁ではあの有名な水戸黄門・・水戸光圀もいます。
「実は僕”正木時茂”の末裔なんです。店名を決めるときに横文字も良いとは思いましたが・・先祖の名前だと恥をかかせられないので時茂にしました。」
そう言えば、ラーメンの丼の下のお皿には「三つ引両」の家紋が入っていました。
先祖からの名を重んじ
師匠からの魂を伝える
まさにラーメン界のラストサムライと言えるような熱い人でした。
マッスルコメント
イチバも真のサムライを目指して・・マッスル連続ジャンプ!!!
麺屋 時茂 京成大久保店
住所/習志野市大久保1-18-9ライズインハウス1F
営業時間/11:00~21:00
定休日/土曜
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