harunoshinのブログ

自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進のブログ。

熱き鉄のDNAを継ぐ職人が振るう鍋!初富の老舗名店「萬盛庵」の絶品五目中華!

秋の健康診断の季節ですね。毎度健康診断の結果で「肥満、他は異常なし」と書かれて落ち込む・・ラーメンを日本一食べている自称アスリート・・いやいや、自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。まぁ、肥満なんて身長と体重で出したBMIが基準なので気にしていませんが・・。そう、気にしていませんので今日も元気にラーメン食べに行きます。

今回は鎌ヶ谷市初富にある老舗蕎麦屋「萬盛庵」にお邪魔しました。

 

場所

鎌ヶ谷駅と初富駅の中間に位置する。

場所は新京成電鉄初富駅東武アーバンパークライン鎌ヶ谷の中間に位置します。どちらからも1.5㎞程離れていますね。

鎌ヶ谷駅方面から。向かいが駐車場だ!

駐車場完備なので車でのアクセスが良いと思います。ちなみに、初富小学校を目印に行くと、並びにあるので分かりやすいと思います

年季の入った建物に感動するイチバ。

レポも41回目、イチバの入り方にも年季が出てきたかな?

 

店内・メニュー

店内は趣のある和の雰囲気で、とても綺麗に掃除されていて綺麗です。テーブル4席×4・座敷4席×2の合計24席という構成。

まさに「THEお蕎麦屋さん」の店内!

老舗の蕎麦屋町中華の様に壁にメニューが貼ってあります。見ると、「そば・うどん・ラーメン」以外にもカレー・丼・中華と幅広いラインナップです。

メニューの数も豊富!良く見るとチャーハンなどもあるぞ!

「蕎麦も気になるけどラーメンの取材だしなぁ~」と、毎度お馴染み「イチバの優柔不断症候群」が発症したので、店主の熊井さんに聞くと・・。

「チャーハンは馬鹿みたいに出るけどねぇ~あとは蕎麦の客は蕎麦だし、ラーメンの客はラーメンだね。」

・・・ますます迷う。

そこへイヨリ編集長が「イチバさん・・噂だと萬盛庵のチャーハンはかなりヤバい(旨い)らしいですよ。」と耳打ちを。…この人チャーハン好きだからなあ。そうなると、チャーハンは決定で・・あとは

色々悩んだが、ここは・・・

”五目中華”にします!」キッパリと言いました。

なぜなら、チャーハンが旨いということは、中華の技術が上手い可能性が高いので、タンメンや五目中華・モヤシそばなどが面白いと思ったからです。

 

調理

店主の熊井さんにお願いして、調理風景を見学しました。

調理場には大きな羽釜や使い古された鍋などがある。

寸胴の中には豚骨・煮干しからとったスープ。

手際よく野菜を切る。五目中華は多くの野菜を使う。

鍋の中に寸胴のスープを入れる。

野菜をスープの中に投入して煮込む

手早くチャーシューを切る。集中力が凄い!

頃合を見て麺を投入!

煮込まれた野菜入りのスープを味見しながら、調味料やゴマ油を投入。卵も落とす。

中華鍋の中でグツグツと野菜のエキスが溶け出しているのが分かる。

泳ぎ回る麺!これを・・

平ザルですくい、手際よく湯切りする。この技術は相当だ!!

同時進行で「チャーハン」も作る。一切無駄のない一連の調理は、もはや芸術の域!

熟練の技にイチバは息を飲みました。チャーハンの炒め技術、平ザルでの麺の湯ぎり、長年の経験が培った職人技に思わず見惚れてしまいます。

 

実食

これが「萬盛庵」の「五目中華」。蒲鉾のピンクが映えている

蒲鉾のピンクの縁が映える五目中華は歴史を感じさせる美しさがあります。

これはかなり食欲をそそるビジュアルですね!

「旨味」の強いスープは調和がとれている。

スープほんのり濁った塩スープで、豚骨と煮干しから出汁を取り4時間かけて作られます。タレはなく塩のみでの味付けとシンプルですが、調理(煮込み)の段階で野菜のエキスがギュギュギュッとスープに溶け出しています。煮干しが~豚骨が~野菜が~と言う単体ごとの旨味でなく、一つの完成された旨味に仕上がっているスープは一言で言うと・・・飲み干す1杯!

やや濁ったスープはマイルド感を感じる

このスープは中毒性ありますね。

 

自家製の中太ストレートで、かなりモチモチ感が強いです。やや表面がザラつきますが、この手作り感がまた良い味を出していますね。食感がかなり良く良質な麺です。スープや野菜の具などと、しっかりと合っています。柔らかくも、ダレていないですね。

良質な自家製麺はスープ・具とも合っている。コシも十分だ!

キャベツ・ニンジン・タケノコ・キクラゲ・ニラに加えて蒲鉾と玉子・肩ロースチャーシュー。野菜は煮込まれてスープの旨味を含んだクタ系レポ24:二葉参照なので、スープや麺へしっかりと馴染みます。

煮込まれた野菜はスープを吸って美味い!!

麺・スープ・具の一体感が素晴らしいと言うのが一番の印象です。

厚めの肩ロースチャーシューは香ばしさが出ていて美味い!

気づいたらスープが無くなっていた。極上の1杯だ!!

噂の「チャーハン」を一口と思いきや、すでに編集長が食べていました・・・

無心でチャーハンを食べる男がここに…

イチバも一口もらいましたが、以前取材したお店で言われた町中華の真骨頂のオイリーなチャーハンは油と香ばしさが前面に出ています。

編集長 a.k.a チャーハン愛好家の目つきが真剣になっています。

「この絶妙なオイリー加減、ラードを使っているから奥深い旨みが出ていますね。普通の油じゃここまでにならないんですよ。全体のふわパラ感も炒め技術の高さが伺えます。あとチャーシューが旨いから具材はシンプルだけど存在感がありますね。」

人気のチャーハンは新宿の有名老舗中華料理店での経験が生きている!?

 

お店のこと

店主の熊井さんにお話を伺いました。

職人のオーラ漂う熊井さん!!只者ではないだろう。

熊井さんは東京都大田区の生まれで、実家は鉄鋼所(現:熊井製作所)だったそうです。学生時代は下町で育ち、大学は商学部に進学したそうです。

卒業後一度は会社に勤めますが、会社勤めは性に合わなかったそうで、辞めて飲食の道へ進みます。

「親父には家業の鉄工所に入れって言われたけど、兄が二人いたから別の道に進みたかったんだよね。もともと料理は好きだったし、実家の近くに”広華(閉店)”ってラーメン屋があって旨くて好きだったから、修行しようと思って行ってみたら、店主の弟さんが新宿の中華料理店天津飯のチーフだってんで、そこを修行先として紹介してもらったんだ。」

「勤めは1ヶ月で辞めたよ」と笑って話す熊井さん。イチバも勤めが苦手なタイプだけにシンパシーを感じる。

天津飯と言うと、現在も新宿に本店を置く昭和29年創業の老舗中華料理店で、芸能人も通う有名なお店です。「五目中華」や「チャーハン」の技術の高さや上品な味付けに納得が出来ました。

「3年ぐらい修行させてもらいましたね・・・いつも一番に店に入って、人がやる仕事を先にやっていたなぁ~。チーフの知り合いって事で、色々なことをやらせて貰えたのは経験になったね。」チーフの顔を潰さない為にも自分の技術を磨く為にも努力した修行時代だったそうです。

話を伺うと、熊井さんの真面目さや義理堅さを強く感じる。

その後は近所のお店「広華」に戻り、1年程働いたそうです。そして、27歳の時に中華料理屋として埼玉県所沢市にて独立開業をしました。

”祐祐軒”って名前でオープンしたよ。由来は親父の名前が”祐二”だったからそこからとってね。所沢で5年ぐらいやってから千葉に移転しないかって話がきてね。」

お姉さんから西千葉の駅ビルでテナント募集の話を聞き、店を移そうとするも・・タイミングが悪く入れなかったそうです。

そこで別の移転先を探していた時に、初富の現在の場所で蕎麦屋の居抜き物件が見つかり移転することにしました。それが1980年の時の話、今から約39年ほど前に「萬盛庵」は初富でオープンしました。

縁合って初富で「萬盛庵」を開店させた。屋号は友人から貰ったとか。

でも、何故「萬盛庵」と言う名前なのでしょう?

「もともと蕎麦屋の居抜き物件だったから、中華だけじゃなくて蕎麦もやってみようと思って、川崎の知り合いの蕎麦屋に教えて貰いに行ったんだ。そのお店の名前が”萬盛庵”だったからそこから名前もらってね」

確かに川崎市宮前区久末に「萬盛庵」は今も存在しています。

中華出身の熊井さんが蕎麦を教わり、中華と蕎麦の2つの柱でオープンした萬盛庵。蕎麦もうまいが中華も美味いと評判なのはこういうバックボーンがあったからなのですね。

こうして地元の人たちの熱い支持を受けて今日に至っています。

「自分の体が続く限りは続けていこうと思ってるよ。でも最近は飲食店も色々増えたから街の蕎麦屋もどんどん減ってるし、これも時代の流れかな。」

大変だから自分の代で終わりだなと、少し寂しそうに話す熊井さん。

時代は流れども、熊井さんの作る「五目中華」や「チャーハン」を食べる限り名店と言っても大袈裟ではないでしょう。できることならずっと続けてほしいです。

鎌ヶ谷が誇る老舗名店を心から応援します!!

 

後日談・・・

イチバは少し気になって、取材の数日後に神奈川県川崎市に立っていました。向かった先は宮前区久末の「萬盛庵」

川崎市宮前区の「萬盛庵」。ここで熊井さんは修行していたのか。

ここは親子で営む町のお蕎麦屋さん。常連客で賑わう中に、熊井さんと同年代の男性がエネルギッシュに動いていました。

その男性は土子さん。少しお話を伺う事が出来ました。

川崎の萬盛庵店主の土子さん。かなりの職人の様だ。

熊井さんとは矢口渡(大田区)で隣同士だったんだよ!蕎麦屋をやるって言って、うちに習いに来てね~。中華で修行していたから覚えるのはとても早かったね。元気にしてるかい?」

イチバは鎌ヶ谷で食べた「萬盛庵」の原型であろう「五目中華」を食べて、取材の時の話をしました。

これが熊井さんの修行先「萬盛庵(川崎)」の五目中華だ!やはり似ている!

「熊井さんに伝えてくれよ!料理やめて年くっちゃだめだよってね。もし、大変なら俺はいつでもバイクで手伝いに行くからさ!暴走族って呼ばれてんだ!笑」

エネルギッシュな土子さん。熊井さんと似た雰囲気を感じる。

「体が続く限りお互い頑張ろう!」

かつて熊井さんが修行していた厨房。どこか似た雰囲気だ

土子さんから熊井さんへの熱いエール!確かに届けました!

 

マッスルコメント

熱き職人達の話を聞いて、イチバも倒立マッスル!

 

萬盛庵

住所/鎌ヶ谷市東初富2-8-55

TEL/047-445-3188

営業時間/11:00~20:00

定休日/木曜

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