山形の名店から受け継いだ「シンプル・イズ・ベスト」の中華そば!八千代の「中華そば 金ちゃん」(八千代中央駅/萱田町)
皆さん改めまして自己紹介します!!自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。「さくらぶ」では初の投稿になります・・これから、宜しくお願い致します。
さて、今回は初取材と言う事で八千代市の人気ラーメン店に来てみました・・・・そう、あの東北の極上の味を堪能できるお店です。
場所(中華そば金ちゃん/八千代市)
今回のお目当てのお店の最寄り駅は東葉高速鉄道の「八千代中央駅」で、駅から約1km程。「ゆりのき通り」を抜けて、国道296号線に向かう途中にあります。
店内・メニュー(中華そば金ちゃん/八千代市)
店内は「和」の落ち着いた雰囲気で、カウンター6席・テーブル4席×1・座敷4席×3の計22席です。どこかホッとするような雰囲気は居心地が良いですね。
実はこちら「金ちゃん」では山形の味が堪能できると言う事ですが、山形と言えば超がつくラーメンどころなんですね。実は人口10万人当たりのラーメン屋の比率では堂々1位(2017年データ)と言う事で、それだけに洗練された※ご当地ラーメンが県内に多く存在するのです。
優柔不断なイチバは券売機の前で腕を組んで迷いまくります。こう言う時は・・・
必殺「店主に聞く」を発動!!※全然必殺じゃない
イチバのRMYK(ラーメン用語解説)・・説明しよう!!!ご当地ラーメンとは!!ある地域のラーメンが長い年月を経てその土地の文化・風土に合った形に変化し、その地域の中で同じような特徴のラーメンが軒を連ねる事だ。全国的に知名度が高くなく小規模である場合は「地ラーメン」とも呼ぶ事が多い。そのほとんどが地域の名前を冠して呼称される事が多い。ちなみに北は北海道・・南は沖縄までご当地ラーメンが存在する。首都圏のラーメンフリークは、首都圏では食べられない洗練されたご当地ラーメンを食べる為に「遠征」と称して飛行機や新幹線に乗り込む。ちなみにイチバは遠征中に24時間でラーメンを9杯食べたと言う記録がある。
調理(中華そば金ちゃん/八千代市)
店主の大島さんにお願いして調理を見学させて頂きました。
「スープ(出汁)は鶏ガラ・ゲンコツ・手羽先・葱を4~5時間程煮込んで作ります。カエシ(タレ)はチャーシューの煮汁。ちなみに辛味噌ダレは所謂”門外不出”なので秘密で。」と大島店長。
「平ザル(麺を湯切りする為の平らなザルで扱いが難しい)を使えるんですか??」とイチバは驚きます。ほとんどのお店が”てぼ”(深い麺用のザル)を使う中で、かなりの練習をしないと扱えない”平ザル”を使うとは・・・。
「修行先では”平ザル”を使う様言われました。」と大島店長は言います。
実食(中華そば金ちゃん/八千代市)
スープは醤油の香ばしさと芳醇な鶏の旨味が効いたもので、口に含むと香ばしい「和」の旨味が口の中一杯に広がります。「阿波尾鶏」を使用しているとの事ですが、鶏の上品な香りが特徴です。スタンダードな中華そばのスタイルながら、非凡な旨味に驚きます。
麺は自家製の多加水の中縮れで、プリプリした食感に唇に当たる縮れのプルプル感が心地良いですね。お店でここまでの麺を作るのは見事としか言えません。鶏の効いたスープとの相性もバッチリで、スープと麺だけでもかなりの完成度を感じます。
具は「特製」なので所謂「全部乗せ」です。ロースのチャーシュー・メンマ・味玉・海苔・葱・ナルトで、スープと麺の邪魔をしない味付けですね。「中華そば」らしいビジュアルを崩さないのも良い感じです。
ベースとしては山形の※「米沢ラーメン」が近いですね。一言で言えばスタンダードな「中華そば」なのですが、加水率の高い麺・・・・それに出汁感がしっかりしたスープがそれに近いです。スタンダードなスタイルを非凡に作りあげた1杯にイチバは満足です。
「特製辛みそらーめん」は、出汁感のあるスープに辛味噌を徐々に溶かすと・・・・旨味と辛味が鬼の様に口の中に広がり、更には極上の自家製麺に絡んでいて美味しいですね。山形県で赤湯ラーメンをかなり食べたイチバでも、現地の名店に負けていないと唸る程です。
イチバのRMYK(ラーメン用語解説)・・・説明しよう!!「米沢ラーメン」とは!山形県を代表するご当地ラーメンの1つで、その名の通り米沢市付近で提供されるラーメン。加水率高めの縮れ麺に鶏や煮干しを使った透き通ったスープが特徴。元々は1920年代に米沢に居住していた中国人の料理人が引いていた屋台が原型と言われる。米沢の現地では「ラーメン」ではなく「中華そば」と呼ぶ事が多く、お店同士の組合として「米沢そんぴん会」などを結成している・・・・。加えて「赤湯ラーメン」とは!!山形県南陽市(旧赤湯町)付近で提供されるご当地ラーメン。中華そばの上に唐辛子・味噌・ニンニクなどを和えた辛味噌が乗り、青海苔が降り掛けられているのが特徴。発祥は1958年に創業した「龍上海」。実は「味噌ラーメン」の発祥は札幌市の「味の三平」の1961年と言われるが、龍上海はその前から出していた可能性がある。南陽市には同じような系統のラーメンを出す人気店が複数存在し、ご当地ラーメンになっている。山形にはこの2つ以外にもご当地ラーメンが存在し、イチバは本気で山形への移住を考えないといけないと常々思っている。
お店のこと(中華そば金ちゃん/八千代市)
店長の大島さんにお話を伺いました。
大島店長は千葉県習志野市出身で、IT関係の学部に進学後ラーメンの世界に入りました。
「元々、父親と一緒にラーメン巡りしていたんです。それで段々とラーメン好きになって・・・特に東北方面のラーメンとか好きでした。」と大島さん。家庭環境に「美味しいラーメンを求めて食べ歩く」習慣が根付いていたんですね。
学生生活を終えてから、何をやりたいかが分からない時期があったそうです。そんな時に「ラーメン屋」と言うキーワードが頭をよぎったそうですね。
「自分でラーメンを作って、お客さんの笑顔を貰えたら最高だ!って思ったんです。それで、”この辺で一番美味しいのは金ちゃんだろ!!”って思って6年前(2014年)に入社しました。」
「金ちゃん」は元々は山形県南陽市の名店で、山形県内に暖簾分けのお店を多数輩出していますね。残念ながら現在(2020年8月)は本店は閉店していますが、弟子たちのお店が名前を守っています。
「”金ちゃん”は大木オーナーが”家族と食べて好きだった味”を出すために2013年にオープンしました。震災をきっかけに大木オーナーのもとを訪ねた方が店長になったそうです。その店長は山形の本店まで修行に行ったそうですね。」
「私が入社後、店長は1年後に辞めると言っていて・・”辞めるなら本店に修行に行かないと”と言う話になりました。」こうして大島店長は山形の本店に修行に行くことになったそうです。
「本店の金田さんは本当に気さくな方で、ずっと笑ってましたね。絶え間なく知り合いが来ては話しかけて・・皆に愛されていました。でも、教えるときは厳しくて・・・平ザルから学びました。金田さんはラーメンに対して”シンプル・イズ・ベスト”って言うんですよ。」
「戻って店長をやって、初めは大変でした。なるべく自分でやろうって思って休めなくて・・でも、今は分散できています。今は父親も食べに来ますね・・・毎回点数言ってくんですよ 笑」優しく笑いながら大島店長は言います。
父親とラーメンを食べ歩いて、今は名店の店長を任されている息子さんに嬉しくないはずはないですね。
「2号店の”ビヨンド”は”超えていく”って意味なんです。”金ちゃん”らしさを残しながら新しい味に挑戦していく・・店長の瀧澤さんは凄い職人なんですよ!!」伺うと、瀧澤店長は都内の路地裏の超がつく有名な某お店の出身とか。
「シンプル・イズ・ベスト」の魂を受け継ぐ「金ちゃん」と、それを超えようと試みる「挑戦」の「金ちゃん ビヨンド」。今後、どちらも目が離せないお店ですね!!御馳走様でした!!
マッスルコメント
シンプル・イズ・ベストの魂に習って・・シンプルな脚トレーニング・・スクワットマッスル!!!
【お店概要】
中華そば 金ちゃん
営業時間 ランチ 11:30~15:00(LO14:30)
営業時間 ディナー 17:30~20:30(LO20:00)
定休日 無休
電話 047-481-1157
住所 千葉県八千代市萱田町592-3
(上記の情報は記事作成時点でのものです)
▼中華そば金ちゃん 地図だとコチラ▼
国道296号線(成田街道)からは、
市役所入口の交差点を八千代中央駅の方へ曲がるとすぐです。
▼中華そば金ちゃん 駐車場▼
通り沿いに【専用駐車場】の看板があり
お店の裏には広めの駐車スペース。
11台停められるようです。
『金ちゃん』の黄色い案内がある場所に駐車してください!
▼中華そば金ちゃんビヨンド店 地図だとコチラ▼
駅からすぐのところにあります。
【お店概要】
中華そば 金ちゃん ビヨンド店
営業時間 ランチ 11:00~15:00(LO14:30)
営業時間 ディナー 18:00~21:00(LO20:30)
定休日 火曜
電話 047-489-1190
住所 千葉県八千代市勝田台1-7-1
※撮影・飲食のときのみマスクを外しています
ラーメンに関する新連載企画を始めます(マッスルラーメンレポ)
「さくらぶ」の読者の皆さん初めまして・・・自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。
・・・・え?????誰だって???
実は、お隣のエリアのローカルメディア「鎌ケ谷・船橋あたり」で「マッスルラーメンレポ(全65回)」と言うラーメンの濃いレポを書いている・・いや、書いていたライターです。こう見えても現役ボブスレー選手なんですよ一応。
そう、一言で言うと「鎌ケ谷・船橋あたり」から皆さんの愛する「さくらぶ」に引っ越して来た訳です。
待ち合わせ場所には・・・
・・・・・・10分後
「あっ!!!もしかしてイチバさんですか?????」お店の前、イチバの歩く先に立っている男性が声をかける。
・・・・こうして「さくらぶ」で新しいラーメンの新企画が始まります。
取材の続きは本編をご覧ください!!!!
▼マッスルラーメンレポ シーズン2 第1回目▼
山形の名店から受け継いだ「シンプル・イズ・ベスト」の中華そば!八千代の「中華そば 金ちゃん」(八千代中央駅/萱田町)
※撮影のときのみマスクを外しています。
壮大な北の大地が変えた人生!札幌の空まで届け!!松戸の花風!「札幌味噌らーめん 風」
いきなりですが、ラーメン好きですか???
かれこれ2年の付き合いになる編集長が不意に「イチバさんは何でマッスルラーメンレポを書こうと思ったのですか?」と言う。
ただの(?)自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)だった一場治之進がマッスルラーメンレポを書こうと思った理由・・・。あるお店の店主と知り合って「ラーメン屋さんってドラマがあるんだ~」と思ったのがきっかけだったんですね。
場所
2020年7月・・・イチバはJR常磐線・新京成電鉄の松戸駅西口にいました。・・え?もはや「鎌ケ谷・船橋あたり」じゃないって???まぁ、そこは大目にマッスルしてください。
松戸駅西口から約300ⅿの場所に味噌ラーメン専門店「風」はあります。
店内
店内はカウンターのみ5席(通常6席)で、厨房と席が近いのが特徴です。
するとすかさず、店主の安本さんが厨房から出てきて・・・
「あっ!イチバさんお久しぶり!新しく作った”昆布水つけ麺 黒味噌”も食べてみてよ!」
W完決定!!!
調理
店主の安本さんにお願いして調理を見学させて頂きました。
実は、このお店の調理・・・・札幌を代表する味噌ラーメンの特殊技術が詰まっているので見せては頂きましたが全部は書く事は出来ません(残念!!)
「スープのベースはゲンコツと野菜(玉葱・長葱・生姜・ニンニク)を6時間ほど煮込んで出来ます。味噌は北海道産の味噌だけど、銘柄は秘密(笑)。札幌のある有名店と同じのを使っているんだ。」
実食
スープは一口目に強烈なインパクトを感じます。香ばしい味噌の香り・・・初めて食べた人は間違いなく唸る極上スープですね。もう、何回も食べたイチバですら「やっぱり美味い!!」と唸ります。味噌ラーメンの概念を覆させる焼けた味噌の香ばしさ・・・この技術があるからこそ札幌は味噌ラーメン王国なのです。
麺はカネジン食品の加水率高めの中縮れで、黄色がかった・・所謂「札幌麺」ですね。ややパキパキした食感もスープに合います。これぞ「札幌系」とも言える麺で、美味しいですね。時間が経っても伸び辛いのも特徴です。
具はバラチャーシュー・味玉半分・メンマ・葱で、特にバラチャーシューの肉質が良いですね。口の中でトロけます!!!
札幌系の中でもある系統だけが使う技術の味噌ラーメンで、何度食べても美味しいですね。何でこんな味が出せるんだろう??って思ってしまいます。
「昆布水つけ麺 黒味噌」は、昆布出汁の冷たい水の中に泳ぐ京都の「麺屋棣鄂(ていがく)」 の中細ストレート麺と、イカ墨の香りが上品に効いた味噌のタレが絡みます。
これは完全に安本さんのオリジナルレシピで、かなりの完成度ですね!!極上です!!
お店のこと
店主の安本さんにお話を伺いました。
安本さんは東京都東久留米市出身で、中学以降は茨城県取手市に引っ越したそうです。高校卒業後に建築関係の仕事に就きました。
「18歳の時に就職して東京都の北区に引っ越しました。25歳の時に会社に異動願を出して、札幌に行く事になりました。異動願を出したのはバイクが好きで、北海道が好きだったから(笑)。そこで札幌のラーメン屋”空”の高田社長に出会ったんですよ。それからラーメンに興味を持って、食べ歩くようになりましたね。」安本さんが言います。
「ラーメン空」と言えば本店は”すすきの”で、新千歳空港や札幌駅のラーメン集合施設・・さらにはラスベガスにも出店している札幌を代表するお店です。
「41歳で仕事を辞めてね。それからバイクで北海道1週して、自転車で日本縦断しました。最後は海外(アメリカ)も旅して回りました。流浪の旅を終えた後に、再び”空”の高田社長に会って、お願いして”空”に修行に入ることになりました。」
でも、飲食店経験なくて大変じゃなかったのですか??
「サラリーマンだったし、家で料理なんてほとんどしてこなかったからもちろん大変でしたよ(笑)。最初は葱切りから始まって、よく手を切りました。キツかったけど、”この野郎!!意地でもやってやるぞ!”って思いましたね。」
空や同僚の店の手伝いを行う事5年程・・・安本さんは「あの」スープの技術を覚えたと言います。
「味噌を焼くのは“センス”なんですよ。調理の技術はあっても“センス”がないと出来ないんですね。同僚で一緒に働いていたカナダ人はセンスがあってすぐに技術を習得してました。彼は今将来カナダ自分のお店を開くために、オランダのラーメン店で頑張っていますよ。」
センスとは具体的にどんな事なんでしょうか?
「味噌は発酵食品だから状態が常に一定じゃなく、変化しているんです。その時の味噌の状態によって焼き具合を変えないといけない。これが味噌を扱う難しさであり、センスが問われる部分。お店に来たら味噌の状態を見るんだけど・・”面倒臭い状態”ってあるんだよね。その辺の見極めが出来ないと味噌は焼けないんです。」
修行を終えて、2年間は独立の為の店舗探しを行っていたそうです。
「地元の茨城より千葉の方が人が多いと思って常磐線沿線の松戸に店を見つけられたんです。それで、2017年6月にオープンしました。オープン数日後に札幌の”空”で食べてきたばかりという人が店に来たのはビックリしました(笑)」
それがイチバでした。
札幌の「空」に感動したイチバが千葉県に戻ってきて、「空」出身のお店が松戸に出来たと聞くやいなや・・すでに車を松戸に向けて走らせていました。そして、数日前に食べた「空」の味がそのまま松戸の地で食べられた時は感動しました。
そう言えば・・・初めて聞きますが店名の由来は??
「やっぱり”空”に似た漢字にしたかったんだよね。漢字1文字で・・・それで”翼”か”風”かで悩んで”風”にね。”空”が好きなんだよね・・今があるのも”空”のおかげだから。」
2017年にオープンして約3年・・・オープンしてからはどうでした??
「大変だったよ・・・色々な事あったし最初の1年は長く感じたなぁ~。1年経つと当たり前の生活・・でも、毎日が試行錯誤だし・・結局は周りのお陰だよね。メニューも”昆布水”は同業の店主からヒントもらったし、”黒味噌”は頑張ってくれていたパートさんが考えてくれたんだ。とても感謝しているよ。」
オープンしてからは「ラーメン界のミシュラン」とも比喩される「2017-18 東京ラーメン オブ・ザ・イヤー(通称:TRY)」で「味噌部門の新人賞2位」を取得する快挙を成し遂げました。その頃より更に磨きがかかった味噌ラーメン・・・一気に首都圏で知名度が上がりました。
今後も目が離せない味噌の名店!!!!また来ます!!!
風
住所/松戸市根本6-4
営業時間/11:30~14:30(LO14:00) 18:00~21:30(LO21:00)
定休日/月曜
↓地図はこちら
ラストマッスルコメント
今回の記事をもちまして、鎌ケ谷船橋あたりでの「マッスルラーメンレポ」は終了となります。
2017年の7月から連載を開始して2年間、65回も続けてこれたのは、取材にご協力いただいたお店の方々、そして読者の皆さんのおかげです。
改めてこの場を借りてお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
マッスルラーメンレポの連載は一旦終わりますが、イチバはこれからも変わらずラーメン屋さんの券売機で迷っていると思います。もしそんな優柔不断なマッスルを見かけたら「左上の法則だろ!」って気軽に声かけて下さい!
丼の数だけ笑顔がある!
丼の種類だけドラマがある!!
またいつかお会いしましょう!!!
音楽からラーメンへ!もう一人の自分が挑んだ魂のスープ作り!!「横浜家系ラーメン 蓮」
そう言えば・・・・かれこれ2年も連載しているマッスルラーメンレポ!!!いや~今にして思えば1~2ヵ月で打ち切りになるんじゃないかと思っていましたが、毎回嫌な顔もせず(自分調べ)読んでくれている読者の方々のおかげですね。
まさに感謝マッスルです。そんな2周年を迎えた自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。
今回は、イチバが特に好きなジャンル(と、言ってもラーメンと名の付くものはほとんど好きですが)である家系の新店に来てみました。
場所
場所は学生街でありラーメン屋の激戦区である京成電鉄の京成大久保駅。
ここからラーメン屋の激戦区である商店街「ゆうろーど」を進む事・・約400m。
県道69号線に出る手前の左側にお店があります。
店内・メニュー
店内は家系では珍しく明るくカフェの様な雰囲気ですね。テーブル4席×3・カウンター8席の計20席です。
「今日は”ラーメン 並”にします!!」と歯切れのよいイチバ。
「迷柱(まよいばしら)のイチバさんが迷わないなんて珍しいですね」とイヨリ編集長。
「ライス無料と言えば家系の呼吸・・・」ブツブツと訳のわからないことを言いながら、食券を店主の渡邉さんに渡すと・・・「お好みありますか??あとライスは?」
これぞ家系のやりとり!!!「全部普通で・・ライスはモチのロンで!!!!」と答えるイチバ。
調理・・・スープの仕込みについて
店主の渡邉さんにお願いして調理を見学させてもらいました。
「スープはゲンコツ・※込みガラ・トンボで出汁を取ります。1日約100㎏ぐらい使いますね。煮込み時間は約10時間ぐらい・・・込みガラはコストが安く、2時間ぐらいで味が出切りますが味の深みは出ないんです。代わりに豚骨らしい風味がしっかり出ます。ちなみにトンボを使うのは、家系の中でも修行先の特徴ですね。」
説明しよう!!「込みガラ(雑ガラ・並ガラ)」とは!!ガラの中でも色々な部位を混合して入れた物だ。特定の部位とは違って、雑味があり他の部位のガラと併用して出汁を取ることが多い。加えて「トンボ」とは!!!一言で言うと「肩ロースガラ」の事。背ガラなどより短時間で旨味が出るガラ。旨味が強く、コクがしっかると出る。巷では「ガラが悪い」と言う人がいるが、ガラに良いも悪いもない・・・要は使い分けが出来るかどうかなんだ!!と、大きな勘違いして綺麗に話をまとめたと思い・・後に大きな恥をかいた事はイチバの黒歴史である。
「元々はガラを寸胴の中に積み立てていたんですよ。焦げ防止の為に底に前日使ったゲンコツを敷いて、上にゲンコツ・更に上にトンボを敷きます。トンボは隙間が合って、炊くと・・どんどん沈んでくるので・・上から更に乗せます。」
それでも、この方法はゲンコツを仕分けると言う作業が伴います。
「現在は方法を変えて、1番目の寸胴内をひっかき回して3時間ぐらいでガラを抜きます。2番目の寸胴に抜いたガラを入れてこちらでも出汁を取ります(2番出汁)。1番目の寸胴に再びガラを足して煮詰めていきながら、またガラを抜き2番出汁の寸胴へ移します。こうして1番目の寸胴は濃度の濃いスープ、2番目の寸胴でややライトなスープが出来、これらを組み合わせながら濃度調整を行って濃厚なスープを作り上げます。家系でここまで入れ替えを行うお店はあまりないかもしれませんね。」
「カエシはヤマサ醤油を使います。修行先のオリジナルのヤマサ醤油とか家系専用の醤油とかありますが、これは普通のです。昆布・生姜を加えて2時間程チャーシューを煮込んだものがカエシになります。」と渡邉さん
とても手間暇かけて作られていますね。
調理
実食
着丼すると、イチバの目がキラキラと輝きます・・・。そう・・イチバは家系のビジュアルで大方の系譜(つまり修行先・流れ)が分かると言う特技があるのです。
このオレンジ~茶色がかったスープと肩ロースチャーシュー・・それにライス無料と言えば・・「新中野武蔵家系」でしょう。
スープは豚骨の濃度が非常に高く、時折骨の食感が残る程のパワフルな豚骨醤油です。正直、これは凄い・・・!千葉県でもトップレベルの家系スープだと断言出来ますね。
茶濁でブリックス濃度が高いので、レンゲで持ち上げるとトロリとした感触を感じます。
口にスープを含むと豚骨・カエシ・鶏油がガツン・ガツン・ガツンと旨味を爆発させます。最後に強いコクと甘みが口の中に広がります。はっきり言って・・・・超超極上です。
麺は家系のお店では初めて聞いた地元「山田食品(レポ番外編:山田食品参照)」の四角い断面の家系らしい中太ストレート。実は、この麺がかなりビックリでした。
家系らしい、モチモチした食感に高濃度の豚骨スープにしっかりと馴染むピシャリな麺・・・そう・・ピシャリ過ぎるのです。
家系と言えば、本流だけが使えるある製麺所があるのですが・・・その製麺所の家系用の麺は家系のスープに非常に合うんです・・・合い過ぎるんです。だから、家系のお店でその製麺所の麺箱が置いてあると「このお店は当たりだ」と家系マニアは安心感を覚える程です。
多くの製麺所がその製麺所の麺の食感に挑みました・・・しかし、似て非なる食感なんです。近い感じはでるのですが、どうしても違う。ある意味、「家系七不思議の一つ」と言っても過言でないくらいですね。その製麺所の麺の秘密はイチバが分かっているだけで2つ。1つは麺の長さ・・・麺を啜って、噛み切るギリギリの長さにする事で不快感を減らす事。もう一つは・・・・
「渡邉さん・・・この麺、まさかの※逆切りでは?」イチバは興奮して聞きます。
「・・それ用の(製麺機の切り刃)刃だと聞いています。あの家系の製麺所の麺も使えましたが、色々食べてこの麺に合ったので・・これにしました。」と渡邉さん。
まさに、「あの」製麺所の麺と全く違わない食感の極上麺。この麺が出回ったら家系ラーメンは大きく変わるかもしれませんね。
説明しよう!!「逆切り」とは!!家系でよく使われる角の切り刃を使用する場合(つまり四角い断面の麺)麺帯の圧延された上下の二面と刃で切られた左右の二面がある。刃で切られた断面はザラついてスープが絡みやすいと言う特徴がある。家系で使われる麺においては、断面が長方形である事から、左右の麺が広い部分に刃を入れる為には特殊な刃を使う必要がある。ここで登場するのが「逆切り」なのだ。逆切りで作られた麺はスープを良く吸うと言うのが特徴。・・・え?ちょっと何言ってるか分からんマッスル?ならば「マッスルラーメンレポ番外編:山田食品」を再度読む事を強くオススメする。
具は家系らしい海苔3枚・チャーシュー・加えてホウレン草と小松菜のミックスです。さすが王道とも言える具は家系のスープにピシャリですね。特に、ホウレン草と小松菜のミックスは柔らかさと茎っぽさの両方の食感が味わえて良いですね。
はっきり言って、かなり高い完成度の家系ラーメンですね。正直、驚きました。
渡邉さん・・・イチバはそろそろ良いですよ♪
ラーメンを食べながらチラチラと渡邉さんを見るイチバ。
「イチバさん・・・やるのですか??アレ(レポ31:ぼくんち参照)を・・・」さっきまで静かだったイヨリ編集長が緊張した顔つきで話しかける。
コクリと頷くイチバ。
海苔をスープに浸して・・・・
・・・行くぜ!!!家系の呼吸 終ノ型
お店のこと
店主の渡邉さんにお話を伺いました。
渡邉さんは新潟県柏崎市出身で、小さな頃から音楽に打ち込んできたそうです。
「高校ぐらいまでずっとピアノを習って弾いていました。クラッシックをやりつつ、バンドもやってたりして、この体格だからドラムやらされたり(笑)。なんやかんや色々な楽器をこなしていました。」
「高校卒業後は神奈川県川崎市の音大に入り、作曲を専攻していました。卒業後は中野を中心にスタジオで働きました。楽曲を作って提供をしたり、レコーディングの技術の仕事をしたり、ライブのカメラマンもしていました。音楽に関する事は3年程で色々やりましたね。」
「中野で仕事をしていた時に武蔵家(新中野本店)食べて旨いなぁ~って思ったんですよ。住んでたのは町田で、近所に”町田商店”もありましたし”ラーメン二郎 八王子野猿街道店2”もありました。色々食べているうちに”ラーメンって面白い”って思ったんですね。音楽の仕事をしながら生田のG系のお店でも働きました。」
「物作りが好きだったんです。音楽も曲作ってコンペで採用されると”選ばれて良かった”って思う。ラーメンもお客さんが食べてくれると”選ばれて良かった”って思います。そういう意味ではラーメンの方が身近なので、多くの人に選んでいただける機会が多いと感じました」と渡邉さん。
音楽への未練は??と伺うと・・「自分の中ではやり尽くしたから未練はないです」とはっきり答えられました。
「音楽の仕事辞めてから一度地元の新潟に帰ったんです。そこではちょっと違う仕事をやっていましたが、新潟にいると居心地良くてダラけちゃうので・・”やっぱり本格的にラーメンやってみよう”って踏ん切りつきました。」
そこで修行に入った先は「武蔵家 船橋店」。あの激戦区「中野木交差点」の1角のお店ですね。渡邉さんが、かつて美味しいと言っていた新中野の「武蔵家」の流れを汲む「武蔵家 千葉本店」の系列店ですね。
「2019年夏まで船橋の武蔵家にいました。その時は”スープ作りって面白い”って思いましたね。」
そして2020年6月に「蓮」をオープンしました。京成大久保にお店を出したのは、この場所によく遊びに来ていたからだそうです。
「店名の由来は・・自分の名前は”涼輔”って言うんですけど、母親が名前を”涼輔”か”蓮”で悩んでいたそうです。それで選ばれなかったもう片方の自分の名前を取って”蓮”にしました。」
音楽の道を歩むかラーメンの道を歩むか・・・”涼輔”か”蓮”か・・・まるで2人の人生を見ているようだとイチバは思いました。
最後に今後について伺うと・・・
「武蔵家で一緒にやってきた奴がいるんです。一人だと限界あるし、いつか一緒にやりたいですね。」
ラーメン屋も一人でなく連弾で頑張って欲しいですね!!!超極上の家系ラーメン・・・・・美味しかったです!
マッスルコメント
渡邊さんの作ったパワフルなスープに負けない様に・・・パワフルスタートダッシュマッスル!!!!
横浜家系ラーメン 蓮
住所/習志野市大久保1-16-13
営業時間/11:30~14:30 18:00~21:00
日曜 11:30~14:30
定休日/月曜(※今後変更の可能性あり)
↓地図はこちら
熟成した味噌と店主の技術!!試行錯誤の末に辿り着いた至高の味噌「らーめん天雅」
季節も変わり、一気に気温が上がりましたね。夏バテに効く食べ物と言えば「発酵食品」!!ならばと「味噌」を求めてダッシュする男・・自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。今回は習志野市に味噌ラーメン専門店があると聞いたので、そりゃあ夏バテでなくても行きますよ。
場所
最寄り駅は京成電鉄の実籾駅から約1.1km程離れた所で、スーパーカスミの近くにあります。お店は駐車場完備なので、車でのアクセス良いですね。
お店の外観から、かなり味噌にこだわりを感じますね。「蝦夷味噌」「広島味噌」と、味噌の産地が書いてあります。こりゃあ期待マッスルになりますよ!!!
店内・メニュー
店内は木の温かさを感じる雰囲気で座敷4席×2・テーブル4席×3・カウンター4席の計24席と、広いですね。
壁に貼られたメニュー。イラストで分かり易いのが良い感じ。全てに温かさを感じるのだ。メニューは味噌ラーメンを中心に醤油・塩のラインナップですね。更には担々麺や珍しいカレー味噌もあります。
優柔不断代表のイチバが悩んで「じゃあ全部・・」と言いかけると「たまには男らしくスパッと決めてください」と釘を刺すこちらも優柔不断なイヨリ編集長。
仕方ないので必殺店主に聞くを発動!!!!
2択になって、悩んで悩んで悩みまくった挙句に「蝦夷味噌」を注文するイチバ。
どれも魅力的なので本当に迷ってしまうラインナップです。
調理
店主の青柳さんにお願いして、調理を見学させてもらいました。
「スープはゲンコツ・鶏ガラ・モミジ・野菜・鰯の魚粉を12時間煮込んだ後、一旦冷ましてまた3時間・・計15時間程煮込んでいるんだ。醤油のカエシは2種類の醤油を作ってブレンド・味噌は蝦夷味噌は北海道産の味噌で広島味噌は広島産独自の味噌と八丁味噌のブレンドを使用しているんだよ。」と店主の青柳さん。
手慣れた湯切りで麺を上げ、丼に入れます。
・・あれ????※マー油って透明なのですか???
「マー油を作る時に材料をミキサーで細かくすると黒くなるんだよ。うちのは材料をみじん切りの粒状にしているからマー油の出来上がりが透明なんだ。」と青柳さん。
説明しよう!!マー油とは・・・馬の油(馬油)・・ではなく、ゴマ油でニンニクを揚げるか炒めるかで焦がす事で出来上がる調味油だ!!「焦がし油」「ニンニク油」などと呼ばれる事がある。「麻油」と表記される事があるが、ラーメン界では「マー油」と書かれることが多い。黒みがかった油であることが多く、独特のコクはスープにパンチを与える。ご当地の熊本ラーメンなどで使われる事が多い。ラーメンにおいて広まったきっかけは、熊本県人吉市の名店「好来」の出身である神奈川県秦野市の「なんつッ亭」がブレイクした事が大きいだろう。基本的には濃厚なスープとの相性が良いと思われる。まだマー油を体験した事ない人は、熊本に行って体験する事を勧める。間違いなくマー油中毒者になるだろうとイチバは思っている。
実食
黒い丼にオレンジ色がかった味噌スープが映えますね~。野菜のフレッシュな色合いも合っています!!
スープは動物系がしっかりと効いていて、素朴な旨味が口の中に広がります。出汁感よりも、味噌本来のコクや風味を大切にしているのが伝わる味ですね。と、言っても出汁の強さが弱い訳ではありません。
具の野菜に透明のマー油がかかっていて、野菜を崩すとジャンクなコクが・・・・さらに上に乗っている味噌を崩すと味噌の風味とコクが1段階上がります。これは面白いですね。こんな言い方が合っているか分かりませんが、このラーメンは「和食」なんです。味噌ラーメンと言うより、味噌を楽しむ為の麺料理と言えるのではないでしょうか。とても美味しいです。
麺は製麺所は秘密との事ですが、加水率高めの中太平打ち麺です。デフォでやや柔らかめに茹でてありますが、この柔らかさが味噌のコクをまとって旨味を持ち上げます。
味噌の香りが前面に出ているスープに麺のモチモチ感、それに箸休めとしての役割を果たしている野菜がバランス良く丼に収まっています。
具は野菜(キャベツ・人参・モヤシ)以外にコリコリのメンマ・海苔・それに分厚い炙りバラチャーシューですね。メンマのコリコリ感も良い仕事ですが、特筆すべきは炙られたバラロールチャーシューです。これはかなり食べ応えありますね。
お店のこと
店主の青柳さんにお話を伺いました。
青柳さんは千葉県出身で、建築関係の仕事に25年程就いていたそうです。
「サラリーマン辞めて何をしたいか?考えたらラーメン屋でした。もともとラーメン好きだったからね。」
初めからラーメン屋をやりたかったのですか??と伺うと・・
「サラリーマン時代に色々食べ歩いてね。香川のうどんに長野の蕎麦・・それで初めは香川にあるようなセルフ式の”うどん”に憧れたんだ。自分で持って行って自分で麺も茹でるスタイル。でも色々考えて結局ラーメンをやる事にしたんだ。」
それもラーメンの縁ですね~
「この場所に決めたのは偶然。以前はコンビニだったみたいだね。店名は息子の名前から一文字(雅)・・それに加えて”天まで届け”って意味で”天”が入って”天雅”になったんだよ。」
こうして約15年ほど前に「天雅」がオープンしました。
「ラーメンの修行はしてないんだ。独学で色々調べて試行錯誤しながら、当たり前だけど自分が旨いと思う一杯を作る様にした。人はそれぞれ味覚や好みが違うでしょ?だから他人が旨いと思う物を作るのではなく、自分が旨いと思うラーメンを作って、それに賛同してくれた人がお客さんになってくれるのだと思うよ。」
何故味噌を前面に出したメニューにしたのですか?????
「味噌が一番簡単だと思ったから 笑」
「それこそ北海道から九州まで20種類ぐらいの味噌を使って色々試したよ。味噌って日本全国色々な地域で無数にあるからね、色々試していると迷宮に入っていくし、店に味噌の在庫が増えるばっか(笑)。それで試行錯誤して残ったのが蝦夷味噌と広島味噌。今でも3ヵ月にに1回ぐらい、微妙な調整の範囲だけど味を変えているんだ。」
「以前、田舎味噌(麦味噌)を作ってみたんだけど・・・5種類とって1種類これだという味噌に出会った。これで田舎味噌ラーメンが出来る!って思っていたら、4日後には味噌の風味が抜けてしまってボツ…難しいな〜と思ったね。スープの出来でも味噌は風味が変わるからね。」
話せば話すほどに味噌への愛を感じます。そして大したことはしていないと言いながら、とても情熱的な探究心を感じました。そりゃあこれだけ美味しい味噌ラーメンが作れる訳です。
今後も目が離せないお店ですね!!!!
マッスルコメント
熟成味噌の旨味の様に・・筋肉熟成の為の階段ダッシュマッスル!
らーめん天雅
営業時間/11:30~15:00 18:00~22:00(LO30分前)
定休日/月曜・火曜
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信頼の仲間と上げた“うだつ”!勝負をかける徳島の味「阿波両国屋 白井本店」
皆さんお久しぶりです!!
約2ヵ月ぶりの取材にドキドキしている自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。
緊急事態宣言解除と言う事もあり、感染に気を付けながらの取材再開となります。復帰初である第62回は白井にある「阿波両国屋」にやって来ました。
場所
最寄り駅は新京成電鉄の「鎌ケ谷大仏駅」から約1.2kmで、駅から木下街道を白井方面に進むと左側に見えます。向かいに駐車場が完備されているので車でのアクセスが良いですね。
え?何故取材再開をこの店にしたかって?(←誰も聞いていない)それは、首都圏ではまだ珍しい※徳島ラーメンを出すからなんです。
説明しよう!!徳島ラーメンとはその名の通り阿波の国「徳島県」のご当地ラーメン。元々は小松島の「岡本中華」を元祖とする九州豚骨ラーメンの様な白濁の豚骨ラーメン(白系・小松島系と呼ばれる)だったが、後に「いのたに」が「すき焼き」からヒントを得たラーメンを開発。茶濁のスープにバラ肉・生卵と言うスタイル(茶系・徳島系と呼ばれる)が瞬く間に広まった。ラーメン博物館に「いのたに」が出店してブレイクした事もあり、首都圏では「徳島ラーメン」と言えば大抵は茶系を指す。他にも黄系(鳴門系)と言うスタイルもあるので、現地では徳島ラーメンは3系統あるのだ。どれも豚骨ベースなのは、ハム工場があったために豚骨が安く仕入れられたからと言われている。ちなみにイチバは徳島ラーメンを食べるだけの為に徳島を訪れたこともあるぐらい、徳島ラーメンが好き。ライスが極上に合う徳島茶系の合言葉は「肉玉そばライス付き」。
久しぶりの取材に相変わらず口が半開き(いつも)のまま入店します。
店内・メニュー
店内は居酒屋風の雰囲気で、照明がやや暗い感じの落ち着いた印象があります。カウンター5(通常は8)席・テーブル6席・4席×5(通常6)の計31(通常38)席と、広いですね。
久々とは言え、やはり直らない優柔不断野郎イチバ・・・悩んだ挙句に壁に貼られたラーメンのメニューを見て・・・。
「阿波両国ラーメン」を注文します。壁の値段は「(小)」なので、今回は「(中)」をお願いしました。
今回は経営者の片岡さん・稲垣さんが迎えてくれましたが、ラーメンを作るのは副店長の吉野さん。ななな何と、吉野さんは20歳と言う若さですが、片岡さん・稲垣さんが信頼している副店長なので、イチバも安心です。
調理
片岡さん・稲垣さんにお願いして調理を見学させて頂きました。
「スープはゲンコツ・鶏ガラ・野菜(ニンニクや玉葱など)を8~9時間煮込んだ物で、カエシは豚バラを酒や味醂・ザラメなどで煮込んだ煮汁を使用しているんだ。」と片岡さんが説明。実は、このお店のレシピは片岡さんが作っているとの事。取締役と言いながら、腕の良い職人さんの様です。
流れる様な動きから経験値の高さを感じさせます。20歳でこの動き、お見事です!
実食
茶濁色のスープにバラ肉!!これは間違いなく徳島ラーメンですね!!そして、横に鎮座する・・・徳島茶系と言えば、絶対的に必要なアイテム・・・そう!!生卵です!!お店によってはラーメンに乗って出てくる所もありますが、こちらは別皿で提供されます。
スープは動物系の旨味とコク・・それにやや甘めのカエシが効いた独特なスタイルです。本場よりも塩分が強い印象がありますね。これは片岡さん曰く「現地の味を関東向けにあえてアレンジした」との事です。背脂の存在も特徴的で、それでも徳島ラーメンの枠内に収まっています。美味しいスープですね。
生卵の黄身を投入すると、更に真価が発揮されるのが徳島茶系のスープなのです。
麺は菅野製麺の中縮れで、この系統としては珍しく加水率は高めですね。ズルズルとした「啜る」食感と適度なモチ感が良い感じです。もちろんスープにしっかりと合っています。
具はナルト・メンマ・葱・モヤシ・そしてバラ肉です。実は徳島ラーメンはライスと一緒に食べるのが本来の食べ方なのですが、その理由は甘コクの濃厚スープと甘めに煮込まれた極上バラ肉がライスに合うからなのです。
今回ライスは注文しませんでしたが、イチバは食べながらライス追加をしようか迷い頭がショート寸前になりました(実話)。
ヘイ ミスターマッスル!ホワイ ライス ドントオーダー?
とネイティブな読者の皆さんから質問がきそうなのでお答えします。
それは、ダブ完(*2杯完食)したかったから。
実は片岡さんオススメの1杯は「阿波両国ラーメン」だけでなく「担々麺」もあったのだ!
というわけで2杯目にいただくことになった「担々麺」。
徳島ラーメンのベースでゴマの担々麺に仕上げた秀作!!!徳島ラーメンと担々麺の良い所取りの1杯は、見た目は担々麺でも・・奥深くに徳島ラーメンが生きていると言う面白いラーメンでした。ごちそうさまでした!
お店のこと
お店のことを片岡さん・稲垣さん・吉野さんに伺いました。
片岡さんはもともと香川県出身で飲食店などの経営を行っていたそうです。
「ラーメン屋にもいて、東大・麺王でラーメンを覚えたんだ。」と片岡さん。
東大と言えば、徳島駅前に本店を持つ高濃度な徳島(茶系)ラーメンを各主要都市に進出させて知名度を全国区にしたお店ですね。
その後は千葉に来て、意気投合した仲間と「商売をやろう」と言う話になり2012年に「阿波両国屋」を開店させました。
その時は5人で始めて、その中に稲垣さんも入っていたそうです。現在は5人のうち3人は違う道に進み、当初のメンバーは片岡さんと稲垣さんのみになっています。
稲垣さんは千葉県船橋市出身で、松戸市内の高校卒業後に大手化粧品会社に就職したそうです。その後、片岡さん達と会い「阿波両国屋」の経営に携わったそうです。
「元々経営に興味はあって・・今は2人での経営だけれど、(片岡さんとは)タイプが違うから、お互い納得しないと進まないんですよ。」
二人の役割分担は??と伺うと・・片岡さんが取締役でオーナー・稲垣さんが代表取締役という事で、うまくパワーバランスが保てている様ですね。
ちなみに阿波両国屋のメニューはほとんど片岡さんが作っているとの事です。
「実はここで働いている人達は阿波両国屋のお客さんだったんですよ。」と稲垣さん。副店長の吉野さんも元々は阿波両国屋のお客さんだったそうです。
吉野さんは船橋市内の高校卒業後に阿波両国屋でのアルバイトを経て社員になったそうですが・・・・若いのに副店長って大変じゃないですか???
「若い子って吸収が早くて出来るんですよ。2年間見ていて思いました。」と稲垣さん。
「2人(片岡さん・稲垣さん)はとても優しいんです(笑)2人からプレッシャーをかけられる事はないので、やりやすいです。怒られる事もないですし」と吉野さん。
「俺が怒ったのって、たまにアイスクリーム食べた時か???」と片岡さんが笑いながらツッコみ。
「あれは僕じゃないですよ~!!!本当に」取材中もこんなやりとりで信頼関係を感じさせます。
「2人を尊敬できるんです・・ちゃんと引っ張っていってもらえるから」と吉野さんがしんみり。
「お前、そんな事思ってたのかよ!!!」と照れ臭そいうな片岡さん。
片岡さんも稲垣さんも、情が熱く信頼できる若い子に任せているからこそお互いの強い信頼関係が築けているんだとイチバは思いました。
これからについて
「阿波両国屋」と言えば、実は他にも飲食店を経営しています。
阿波両国屋の後は”壱八 白井店”、リラクゼーションサロンの”美癒座”、”壱八 鎌ケ谷本店”、”Kalamlea-la.crepe”、”おおぎ屋 白井本店”の順にお店をオープンしました。
伺うと、この阿波両国屋のお客さんとお店で話しているうちに「○○をやりたい」「じゃあやってみるか」と言ったとんとん拍子の流れで新たなビジネスを始める事もあるとか。まさに阿波DREAM!!
今後について伺うと・・「今後はどんどん展開して行きたいですね。もちろん飲食に限らず。FC(フランチャイズ)も考えています。」片岡さんは言います。
「あと、関東向けで無くて本場そのままの徳島ラーメンのお店も出したいと思います。」
徳島と言えば「うだつ」の町。商売がうまくいかない事を「うがつが上がらない」と言いますが、阿波両国屋はスタッフも含めて一丸となって商売を成功させる事で「うだつを上げて」いますね!!!!今後も目が離せないお店です!!!御馳走様でした!!
マッスルコメント
イチバも「うだつ」を上げるために「ベンチプレス」を上げマッスル!?
阿波両国屋 白井本店
住所/白井市富士114-47
TEL/047-401-2227
営業時間/18:00~翌3:00(LO2:30)
定休日/不定休
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ラーメンだってテイクアウト!京成大久保駅「麺屋 時茂 大久保店」【テイクアウトグルメ】
ようやくコロナの余韻も落ち着いてきましたが、お店のテイクアウトはまだまだ需要があります。少なくとも自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進はテイクアウトの魅力をマッスル堪能しています。
今日もどこかで極上テイクアウトラーメンがないかとアンテナを張っていると、なななななななな何と!「あの」お店が極上「まぜそば」をテイクアウトしているではありませんか・・・。こりゃあもう事件ですよ事件!!「あの」お店に向かって京成大久保駅を降り立ちました。
あのお店・・・
そう・・・あの超極上鶏白湯ラーメンを出している「麺屋 時茂 大久保店(レポ29:時茂 参照)」です。
そう言えば、取材の時もこれぐらいの時期で・・これぐらいの夕暮れでした。あれから1年。「時茂 大久保店」は岡崎店長の指揮の元で地域の人気店になりました。
社長の正木さんは草加本店にいらっしゃるそうで、岡崎店長が迎えてくれました。
「イチバさん・・・パンプアップしましたねぇ~」と気さくに話しかけてくれる岡崎さん。お客さんとのコミュニケーションを大切にしているので、店内の雰囲気が良い感じ。
テイクアウトの「まぜそば」は「醤油」「塩」ありますが、券売機で購入して「容器代」¥50-を追加購入する事でテイクアウトに出来ます。
イチバは迷いまくりですが、今回は前回食べたラーメン同様に「塩」をチョイスします。
今回はお店で調理した物を持って帰るスタイルです。「まぜそば」はこのスタイルが多く見られますね。
お家で「時茂」!!
・・・・・45分後
お店で作られた「まぜそば」をテイクアウト用の容器に入れるスタイルで、調理はいりません。まさに「お弁当」の感覚で食べ始める事が出来ます。生卵が別に付いているのが特徴ですね。
気を取り直して・・「時茂」!!
まず手始めに下の麺と上の具を混ぜる作業から始まります・・・所謂・・・必殺天地返し!!!!(レポ11:すけがわ参照)ですね。
全体の味つけとしては、丸く優しい塩を動物系の旨味が口の中に広がりますね。まさに「時茂」の「塩ラーメン」を汁なしで表現した印象です。「鶏白湯」の「塩ラーメン」の特徴である、吸い付くような優しい動物系の旨味が見事に「まぜそば」に仕上がっています。
正に・・・大きな期待を持って想像した通りの仕上がりで、この高いセンスは「さすが時茂」と言わざるを得ません。
麺は太ストレートで、モチモチ食感が特徴です。麺が主役になる「まぜそば」らしく、麺の存在感が強いですね。タレや具を持ち上げても、麺の食感が邪魔される事なく美味しく頂けます。
具はフライドガーリック・サニーレタス・解し鶏チャーシュー・刻み玉葱で、共通する事は「麺に絡む事」「食感を楽しめる事」ですね。特にサニーレタスや刻み玉葱を使うあたりが凄いですね。ピシャリとハマっています。
そして、「時茂」の「塩」と言えば・・忘れちゃいけないのがレモン!!!入っていたレモンを後半で絞ります。
レモンを入れると、一気に清涼感のある「サラダまぜそば」に変身します!!!はっきり言って、全く別の「まぜそば」になりますね。もしかしたら、レモンは鶏白湯ラーメンより合うかもしれません。
感想としては、かなり完成度の高い「まぜそば」ですね。正直驚きました・・・。特に女性の方で「ラーメンはちょっと・・・パスタなら・・」と言う方がいましたら、一度「時茂」の「まぜそば」に挑戦してもらいたいですね。もちろんイチバの様なガッツリ食べる男子も満足です。テイクアウトでこの旨さなので、お店で食べたら・・と思いました。
満足マッスルですね!!!!!御馳走様でした!!
マッスル店主コメント
僕も負けずにやってますので、時期が来たらお店に来てください!!(岡崎さんより)
麺屋 時茂 大久保店
住所/習志野市大久保1-18-9ライズインハウス1F
営業時間/11:30~21:00
定休日/水曜
↓地図はこちら